亀井宏紀(かめいひろき)行政書士事務所

2020/06/18

ネパールからの留学生

行政書士の、亀井宏紀(かめいひろき)です。

今、日本への留学生は、昨年のデータではありますが、2019年5月1日時点で、31万2214人の方が、来ています。

どの国から多くきているのかというと、

1位が中国(12万4,436人)、2位がベトナム(7万3,389人)、3位がネパール(2万6,308人)と、なっています。

1位が中国は、なんとなくそうかなと思っていましたが、ベトナムとネパールが上位なのが、なぜなのか、明確な理由がわからなかったので、機会がある時に確認することとしていました。

で、今回、これが正解とは、はっきりとは言えませんが、ネパールからの留学生に質問する機会があったので、聞いたことをお話したいと思います。

まず、ネパールから日本への留学生がすごく多いが、ネパール政府として、日本に留学させるような施策や声掛けがあるのか聞いてみました。
答えは、ないとのことです。

では、ネパールの国の方々が、日本を好きなのかときくと、特に好きとか嫌いというのはなし。アメリカの方が好意があるように思うとのことでした。

では、なぜ、ネパールから日本への留学生がすごく多いのかを聞いてみると、理由は簡単でした。

それは、経済的な理由、つまり資金面です。

まず、第一に、日本語学校に入学するためのビザ取得のため、どれぐらいの預金があるのかを示す必要があり、日本への留学の場合は、おおよそ250万円の預金がないといけないとのことでした。

留学の在留資格を取得するために、日本の学校に在学中、日本で生活をし、授業料を支払うことの証明として、 預金残高証明書が、ビザの申請資料として必要ですが、その額が、日本の場合は、おおよそ250万円ということです。

一方、アメリカや、オーストラリアの場合は、倍の500万円の預金をがあることを証明する必要があるとのことです。

この預金額の証明で、日本はアメリカに比べて半分なので、日本を留学先に選ぶ人が多いとのことです。

またもう一つの理由として、日本語学校に入学するための、ビザ取得の面があるとのことです。

日本語学校に入学するためには、留学ビザを取得する必要があります。

この手続きについては、日本にある日本語学校が、ビザ取得の手続きを外国人本人に代わって行ってくれますが、このビザ取得にかかる費用について、日本の学校の場合は、留学ビザが取得できた場合に、その取得費用を支払えばいいとのことです。

言い換えれば、留学ビザを取得できなかった場合は、その取得のために申請したなどのかかった費用は支払わなくてよいということになります。

一方、アメリカや、オーストラリアの場合は、現地の語学学校に、留学ビザ取得の依頼をした場合、留学ビザが取得できようが、取得できまいが、申し込んだ時点で費用がかかるとのことでした。

言い換えれば、取得できなかった場合でも、その費用はかかってしまうということです。

そして、この留学ビザ取得の費用は、日本でも、アメリカでも、おおよそ20万円から30万円ほどとのことです。
ネパールでは、20万、30万円を貯めるのは1年がかりなので、もし留学ビザが取得できなかった場合には、その費用が無駄になる、アメリカや、オーストラリアへの留学は、どうしてもそのリスクの関係からさける傾向があるとのことでした。

今回、質問したネパールからの留学生も、本当は、アメリカに行きたかったとのことでした。

お話を聞き終わったあと、こんな事情があったんだなと、本当に勉強になった思いがしました。

もちろん、今回の件については、私の周りにいた方に聞いただけなので、すべての事案にあてはまるということは、ありません。

しかし、質問したネパールからの留学生からすると、多くのネパールから日本への留学生は、資金の面で、日本を留学先に選んでいるとのことでした。

ネパール人に人気のある留学先は、アメリカや、オーストラリアだそうです。

留学ビザの取得費用については、各学校によって異なる場合もあるかとは思いますが、留学ビザの取得のための預金の額について、日本の方がアメリカ等よりも少なくてすむということについては、日本の政府が意図的に行っているのかどうかが、すごく気になりました。

今回、ネパールからの留学生に聞いてみて、結局は「お金か」と、少し寂しくなりましたが、これからも、現実をしっかりとみていきます。

お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

事務所へのお問い合わせ