城戸(きど)行政書士事務所

2021/01/25

戸籍・歴史編~行政書士の係わる書類⑥~

現在ほとんどの市町村で交付される「戸籍」は、コンピューターから出力される横書きのものになっています。平成6年に戸籍法が改正されて戸籍が電子化されるようになったため、この様式を「平成6年式」と呼びますが、記載されている内容はそれまでとほとんど変わっておらず、それ以前の「昭和23年式」(こちらは手書き・縦書きです)と併せて「現行戸籍」と呼ぶこともあります。

戸籍制度は中国から渡って来たものとされていますが、今のようなスタイルになったのは明治維新以後のこと。現在入手できるものとしては、明治19年式、明治31年式、大正4年式、そして先ほど申し上げた昭和23年式、平成6年式の5種類があります。

現行戸籍とそれ以前の戸籍の大きな違いは、「家督相続」の考え方です。戦前の民法では、子どもの相続は均等・平等に行われるものではなく、1人(原則として長男)が家の財産や権利義務のすべてを相続することとされていました。この家督を継いだ人を戸主と呼び、戸籍もこの戸主の下に一家全員が入っていることが普通でした。 父親が亡くなって長男が家督相続して戸主になると、母親や兄弟姉妹あるいはその配偶者や子(戸主にとっては甥姪)、場合によっては戸主の叔父叔母までがひとつの戸籍に入っていることも珍しくありませんでした。

戦後の現行戸籍は、この戸主制度が廃止され、戸籍の先頭に記述される方は単に「筆頭者」と呼ばれるようになりました。また、戸籍の単位も1組の夫婦とその子どもしか入れなくなったということは、前回申し上げた通りです。

~つづく~

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