亀井宏紀(かめいひろき)行政書士事務所

2022/08/26

日本に在留する外国人の妊娠・出産での手続きについて

行政書士の亀井宏紀(かめいひろき)です。

 日本に在留する外国人の中には、日本で妊娠出産を経験される方もいると思います。外国人にとっては、当たり前ですが、日本は、その方にとっての外国ですから、妊娠出産が初めての場合は特に不安でいっぱいかと思います。
そこで、今回は、日本に在留する外国人が、日本で妊娠出産した場合のおおまかな流れを確認したいと思います。

まず、妊娠検査薬で陽性反応が出た場合、住んでいる地域の産婦人科を受診して妊娠の有無を確認します。
続いて、赤ちゃんの心拍が確認できると、日本人と同様に母子健康手帳の交付を受けることができます(母子健康法16条)。
そして、母子健康手帳には、妊婦健診の補助券等がついており、これを利用して産婦人科で妊婦健診を受けることができます。
また、妊娠4か月以上の出産の際に、加入する健康保険から出産費用が支払われる出産育児一時金制度も利用することができます。
無事、出産を終えると、役所(住所地または出生地、一時的に滞在している場所の役所、父母のどちらかが日本人の場合は本籍地も可)への出生届(こどもが生まれてから14日以内)及び出生連絡票の提出、小児医療費助成及び児童手当の申請が必要となります。

出生届提出の際に必要な書類は、母子健康手帳、父母のパスポート、届出人の在留カードなどになります。
また、出生届を提出したら、出入国在留管理局への手続き用に「出生届受理証明書」または「出生届記載事項証明書」、
および世帯全員が記載された「住民票」(赤ちゃんを含めたもの)を取得しておきます。

役所にて出生届が無事受理されると、このあとは赤ちゃんの出入国在留管理局へ、在留資格取得許可の申請が必要となります。
親の在留資格によって子どもの在留資格が変わるので、申請前に確認をします。
在留資格取得許可の申請は、出生から30日以内に行います。
そして、その際の必要書類は、

①在留資格取得許可申請書(写真は不要)
②質問書
③出生届受理証明書(原本)
④子供を含めた「世帯全員の住民票」(原本、発行から3か月以内のもの、マイナンバーは省略)
⑤子どものパスポート(本国の大使館・領事館で取得)または「旅券未取得理由書」(パスポート申請中の場合は、受付票を添付)、
⑥子どもを扶養する人の住民税の課税証明書および住民税の納税証明書(原本、発行から3か月以内のもの)
⑦子どもを扶養する人の職業を証明する書類(子どもが「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格の場合には不要。
ただし、「永住者」の取得申請をする場合には必要。)
⑧身元保証書(父または母が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」または「定住者」の在留資格の場合にのみ提出)、
⑨子どもを扶養する人の在留カードおよびパスポート(申請のときに提示)

以上の9種類の書類になります。

これらにくわえて、自国の大使館・領事館にて、本国への子どもの登録も必要となります。

以上が、日本に在留する外国人が、日本で妊娠出産した場合のおおまかな流れになります。

外国人の方が、日本で、赤ちゃんを出産するのは、ほんとに大変だと思います。

お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

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