亀井宏紀(かめいひろき)行政書士事務所

2023/09/14

帰化許可申請における日本語能力

行政書士の亀井宏紀(かめいひろき)です。

私の事務所に『帰化(きか)の申請をしたいのですが』というお問い合わせをもらう時があります。
帰化とは、日本国民でない者が、本人の志望に基づいて申請し、法務大臣の許可により日本国籍を取得することをいいます。
帰化の申請が認められるためには、様々な条件がありますが、多くの国では帰化の条件として、一定の帰化を行う国の語学力が一定の基準以上あることが求められます。
その国の国民となるのですから、その国の母国語を話すことのできる能力が一定以上あることが必要とされるのは当然のような気もします。

もっとも、日本では語学力が帰化申請の条件としては、明確には定められていません。

日本には、帰化のことを定めた国籍法という法律があり、帰化が認められるための条件は、この国籍法の中で定められています。
日本で帰化が認められるための条件は、
①居住要件(国籍法5条1項1号)引き続き5年以上日本に住所を有すること
②能力条件(同法同条項2号)18歳以上であって本国法上も能力者であること
③素行条件(同法同条項3号)社会通念上、素行が善良であり、わが国の社会の安全と秩序を維持するうえで問題がないこと
④生計条件(同法同条項4号)自己または生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること
⑤重国籍防止条件(同法同条項5号)帰化しようとする者が国籍を有せず又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと
⑥不法団体条件(同法同条項6号)日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと
となっています。

このように、国籍法上は、帰化の条件に日本語能力が定められていません。
しかし、実際は日本で生活できるだけの日本語能力を有することが求められます。

では、具体的にはどのくらいの日本語能力があれば、帰化の条件としてクリアできるのでしょうか。
目安としては、小学校低学年レベルの日本語力が必要であるとされています。帰化の申請においては、法務局で面接官との面談があります。そこで、帰化の申請書に関する内容や帰化の申請理由などについて聞かれ、同時に日本語能力がどのくらいあるかも確認されます。ですので、最低でも面談の際に意思疎通が図れるほどの日本語能力は必要になるということです。

日本にいる外国人は、話すことについては問題なく話せるけど、日本語を書く場合には、苦手としている外国人が多いです。
特に、漢字文化圏以外の国の外国人は、漢字が苦手という方が多いです。
アルファベットの文字数は、26文字ですが、日本の漢字は、常用漢字の数で言えば、2000文字以上あります。
外国人が日本語を使うのは、ほんとに大変だと思います。






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