亀井宏紀(かめいひろき)行政書士事務所

2023/11/21

国際結婚における姓の変更

行政書士の亀井宏紀(かめいひろき)です。

私の事務所では、外国人のビザ申請を専門に扱っていますが、そのなかでも国際結婚、結婚ビザの申請も数多く手がけています。
婚姻届の提出や結婚式など、結婚したことを意識するできごとはいろいろありますが、日本人同士の結婚でも、日本人と外国人の結婚でも客観的にだれからも結婚したことがわかるのが姓、つまり苗字の変更だと思います。そこで、今回は国際結婚における苗字の変更について、説明したいと思います。

日本人同士が結婚した場合、
「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」(民法第750条)
と定められています。

これに対して、国際結婚の場合は、原則として夫婦別姓となります。
日本人同士が結婚すると新たな戸籍が作成され、その際に夫婦どちらの姓を名乗るか決めますが、外国人は戸籍を有さず、日本人配偶者の姓で新たな戸籍が作成されるので、基本的には日本人配偶者の姓は変わりません。

しかし、国際結婚においては、姓の変更手続の制度があるので、日本人配偶者が外国人配偶者の姓にすることや、
外国人配偶者が日本人配偶者の姓で戸籍に登録することも可能になっています。

国際結婚した際の、姓については、

・日本人配偶者が外国人配偶者の姓に変更する

・外国人配偶者が日本人配偶者の姓で、配偶者の戸籍に登録する

・ダブルネーム(複合姓)にする

の3つのケースがあります。

まず、日本人配偶者が外国人配偶者の姓に変更する場合は、「外国人との婚姻による氏の変更届」を
結婚から6カ月以内に本籍地または住所地の役所に提出します。
もし、結婚から6カ月を過ぎてから姓の変更をおこなおうとする場合は、家庭裁判所での手続きが必要となるので注意しなければなりません。
また、日本の戸籍で使用できるのは漢字、ひらがな、カタカナのみなので、変更後の名前では
アルファベットや簡体字・繁体字を使用できない点にも注意が必要です。

次に、外国人配偶者が日本人配偶者の姓で、配偶者の戸籍に登録する場合ですが、これは、通称名を登録することになります。
(※外国人配偶者が、母国の法や制度にて、結婚した際に姓を変更する、もしくは、変更できるかについては、その国によって、様々ですので、ここでは、日本の制度として、説明しています)

通称名とは、日常生活で使用している(これから使用する)、本名以外の氏名をいい、住民票や運転免許証などに記載されます。
ただ、本名は変わらないので、パスポートや在留カードには通称名は記載されません。通称名を登録するためには、住所地の役所への申請が必要となります。

最後にダブルネーム(複合姓)を登録する場合についてです。ダブルネームは、日本人配偶者の姓と外国人配偶者の姓を組み合わせたもので、日本姓、外国姓のいずれを先に配置してもかまいません。
登録するためには、住所地の家庭裁判所の許可が必要となりますが、ダブルネームの使用を認めるかどうかは、裁判所の判断となるため、必ずしも認められるわけではありません。家庭裁判所の許可を得たら、本籍地または住所地の役所に届出をします。

お困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

事務所へのお問い合わせ